不妊治療を受けている方の中で、「黄体機能不全」と診断されて、何のことか分からない方へ書きます。
そもそも黄体というのは、卵巣の中で卵子が排卵した後にできるものです。
この黄体から分泌されるホルモン(黄体ホルモンといいます)には体温を上昇させる作用があるので、基礎体温上で高温相が形成されるのです。
黄体は妊娠が成立しなければ12日後には消えてしまいます。ですから、妊娠しなかった時は高温相が12日以上続くことはないのです。
この黄体からのホルモン分泌が悪い人は、排卵しているにもかかわらず、高温相が短くなります。
基礎体温で高温相の日数が9日以下でしたら黄体機能不全の疑いが濃厚です。
排卵があっても、なかなか妊娠しない方は婦人科で、一度黄体ホルモンの血液検査を受けてみるといいですね。
検査が出て、はじめて黄体機能不全の診断がつく人もいるからです。
この黄体機能不全は、排卵するまでの卵胞が十分に成熟していないのが原因と考えられています。
ですから、排卵誘発剤を使って卵胞を成熟させるのが、主な治療法ということになります。
しかし、排卵誘発剤は作用が強力であると共に、いろいろな副作用もあり得るので、
専門医でないと使用がなかなか難しい薬剤でもあります。