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不正出血について
不正出血とは、月経ではない時期に性器から出血が起こる症状を指します。また、月経の出血期間が通常よりも長引いている場合も不正出血に含まれます。血液の色は、真っ赤なものから茶色いものまで様々です。出血量も個人差があります。
不正出血があり心配な方は、大阪市天王寺のおおつかレディースクリニックへお気軽にご相談ください。
不正出血の種類
器質性出血
膣や子宮、卵巣などに病気があるために起こる出血です。主な原因として子宮筋腫、子宮内膜症、膣炎、子宮膣部びらん、子宮体がん、子宮頸管ポリープ、子宮頸がんなどがあります。流産や異所性妊娠なども原因となります。膣炎や子宮膣部びらん、子宮頸管ポリープの場合は、性交時に出血して発覚することがあります。
機能性出血
ホルモンバランスの不調や卵巣機能不全、月経異常によって起こる出血です。特に、ホルモンバランスが不安定になりがちな思春期や更年期によく見られる症状です。生理前に少量の出血が続く黄体機能不全や、出血が長引く無排卵月経なども機能性出血に含まれます。
中間出血
生理と生理の間の排卵期に、卵胞ホルモンの分泌が一時的に低下するために起こる出血です。中間期出血自体は病気ではありませんが、気になる時は基礎体温をつけて出血の時期を確認しましょう。ちょうど排卵の頃にいつも出血するのであれば、ほぼ中間期出血ですので、心配はありません。毎月出血する場合は、ピルで内膜を薄くすることで、改善をはかることができます。
不正出血が起こる部位
粘膜下子宮筋腫
子宮の筋層から内腔に向かって突出する筋腫を指します。月経時に出血が増え、不正出血も起こりやすくなります。ピルによる出血コントロールのほか、手術で筋腫を取り除き治療します。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜ポリープは、子宮の奥に発生するポリープです。多くは良性ですが、子宮体がんの可能性もあるため検査が必要です。なお、悪性である場合は手術による摘出か、ピルによる薬物治療を行います。
子宮内膜炎
子宮内膜炎は、子宮内膜に細菌が入り込むことによって起こる炎症です。発症すると、下腹部の痛みや腰痛、膿の混じったおりもの、発熱を伴うこともあります。
卵巣腫瘍
卵巣腫瘍は、卵巣にできる腫瘍を指します。腹部膨満感、下腹部痛、頻尿などの症状が伴います。治療は手術療法が基本となっており、悪性腫瘍の場合、術後に抗がん剤による化学療法を行います。良性腫瘍の場合は、腫瘍のみ摘出し、卵巣実質を温存されることが一般的です。
子宮体がん
子宮体がんは、子宮体部の子宮内膜から発生するがんです。多くの場合、不正出血や血性のおりものなどの症状が出ます。
頸管ポリープ
頸管ポリープは、子宮頸管の粘膜が増殖してできる良性の腫瘍です。腫瘍が腔内に突出することで、刺激が起こると出血します。出血の頻度が多い場合は、切除を推奨します。
頸管の炎症
子宮頸管に細菌が入り込むことによって起こる炎症です。抗菌薬による治療が必要です。
膣部びらん
膣部びらんは、子宮頸管が赤くただれた状態を指します。病気ではないものの、性交時に出血したり、感染により炎症を起こしたりすることもあります。
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮の入口付近から頸管に発生するがんです。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が大きな原因です。進行状況により、外科手術、放射線療法、抗がん剤のいずれか、もしくは複数の治療法を組み合わせて行います。
膣炎
膣炎には、細菌性腟炎、トリコモナス原虫によって起こるトリコモナス膣炎、カンジダ膣炎、女性ホルモンの減少による萎縮性膣炎などがあります。
膣がん
膣壁に発生するがんです。腟がんは表面を覆う粘膜から発生し、進行すると粘膜表面や粘膜の下の筋肉、さらには周囲の臓器にまで広がることもあります。
不正出血の原因
ホルモンバランスによるもの
ホルモンバランスの乱れを原因として出血が起こることがあります。特に思春期や更年期など、ホルモンバランスが乱れやすい時期によく見られます。
炎症によるもの
クラミジア、淋菌、トリコモナスなどの性感染症(STD)や、大腸菌などの菌による炎症によって不正出血を引き起こすことがあります。原因はストレスや性交などで、膣内の乳酸菌による洗浄作用が機能しなくなった際に膣内や子宮の入り口に菌が発生します。
腫瘍によるもの
子宮頸がん、子宮体がん、子宮頚管ポリープ、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫など、腫瘍が原因で不正出血が起こることがあります。
裂傷によるもの
性交時などに外陰部や腟壁が裂傷し、不正出血が起こることがあります。
妊娠によるもの
着床時の出血、妊娠初期の絨毛膜下血腫や、流産など妊娠が原因で不正出血が起こる場合があります。
不正出血の治療方法
生活習慣指導
日常生活でホルモンバランスが崩れるような習慣がある場合は、それらを改善するための指導を実施します。具体的には食生活や睡眠の改善、ストレス軽減などの取り組みがあります。
抗生剤による治療
出血が多い・長引く場合や、貧血を起こしている場合には、内服薬を処方します。性感染症が原因とされる場合には、抗生剤による治療を行います。
腫瘍摘出手術
子宮頸がん、子宮体がん、子宮頚管ポリープ、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫など、腫瘍が原因であれば、その腫瘍を摘出するための手術が実施されます。